老朽化と新採用

北海道公立小中学校事務職員協議会 会長 名達 和俊(なだち かずとし)

公立小中学校の老朽化について、文部科学省の調査結果が新聞報道されました。記事によりますと、大都市を中心に、改修や建て替えが必要な築30年以上の学校施設が東京・大阪・愛知・埼玉などに多いようです。特に東京都では学校施設総面積の72%が30年以上を経過しているとのことです。その原因については一つの市町村が抱える学校数が多いこと、耐震補強工事を優先したことではないか、と分析されています。北海道は30年以上の施設面積の割合は52%とのことでした。私の勤務する学校は1978(昭和53)年の校舎で残念ながら52%に入る学校です。最近、特に雨漏りが目立つ様になってきました。北海道の建物には「すがもり」が似合うのですが、雨漏りには辟易です。ところで「すがもり」の語源について以前調べたことを思い出しました。調べた結果、ある童謡にたどり着きました。
♪ 春になればすがこもとけて  どじょっこだの ふなっこだの
夜があけたと 思うべな ♪
季節外れの話題ですが、「すがこ」とは秋田・津軽地方で使われる言葉で「氷」のことです。少し話が違う方向へ進んでしまいました。
過日、この春学校事務職員に採用された方の研修会にお邪魔しました。当たり前なのですが、なんとも新鮮な方々でした。ここ数年20名前後の方が採用され、学校現場に赴いています。きっと書類の山に埋もれ、手探りで一枚一枚書類を片付けていることでしょう。若い方が書類から目を離したとき、一体何を想うのでしょうか?仕事のこと・人間関係のこと・子どものこと・趣味のこと・今夜のおかずのこと、明日の飲み会のことなのかもしれません。どのようなことであれ、思い巡らすことは生きるうえで大切なことです。その思いは負のスパイラルではなく、希望への思考であって欲しいと思います。
勤務年数30年、全身の耐震補強工事が必要とされる時期に差し掛かってきています。また、「すがもり」も春を待たず、ハンマーで叩き割るような年代。
若き世代(若い世代ばかりではありませんが)は悩みや課題が多いとき、悩みや不安という「氷」が日々の実践や仲間の励ましなどできっと「夜があけた」と思う日が来ることでしょう。
みなさん(老いも若きも)、一歩前へ!!