冬の使者

北海道公立小中学校事務職員協議会 会長 名達 和俊(なだち かずとし)

 窓を開けると一面の銀世界。そこには澄んだ空気と静寂があるだけ。 昨日までの秋とは決定的な違いを見せつける冬の景色。四季の移ろいを感じるひとつのシーンです。 あっ、タイヤ交換を終えていない!現実の世界に引き戻され、冬タイヤにしていない代償として、 30分間学校まで歩くことになるのです。
過日、大江健三郎さんの講演を聴く機会がありました。 「今教育に大切なこと」と題してのお話は民主主義に育ち、民主主義を守ろうとする姿勢に貫かれていました。 淡々とお話を進めるなかにも、笑いを織り交ぜ、力強いエネルギーを放っていました。 漲る信念と行動にただただ敬服するばかりです。
さて、9月に行われました第59回北海道公立小中学校事務研究大会後志大会の反省を 集約しているところです。成果と課題を明らかにし、明日へ繋がる研修・研究のあり方を 追求することが求められています。教育や私たち学校事務職員を取り巻く状況は決して 楽観できる状況にはありません。 国・地方自治体の教育予算の減少、地域間格差、貧困問題など公立学校の厳しい現状はまるで冬そのものです。 しかし、そのようななかで私たちは、子どもたちが安心して楽しい生活ができる学校となるよう、 地域・保護者・関係機関等と協力しながら取り組みをすすめなければなりません。 学校事務職員の仕事には「子どもたちの生活の場」として学校を捉えることが底流にあり、 その実現のための実践を日々繰り返しているのだと思います。 効率化・合理化が進む今日にあっても、生活の場としての「学校づくり」を追い求める学校事務職員で ありたいと願うものです。