北海道公立小中学校事務職員協議会 会長 中辻 明(なかつじ あきら)
この冬は例年にないほどの暖冬でした。三月に入り、柔らかい日差しが心地よく、もう春の訪れの近いことが感じられます。春は、卒業・入学・就職・退職…と、新しい旅立ちの季節でもあります。
昨年、函館で開催された全道事務研究大会の分科会で、この春退職の先輩事務職員Eさんの言葉が心に残りました。以下、分科会記録からEさんの発言を抜粋します。
―それぞれ、事務職員だから、子どもだから、保護者だから、教員だから見えるものがある。「○○だから見えるもの」を誰が受け止めるのか…。私は、昨年の暮れから体調を崩して、車椅子で過ごした。その時、初めて見えたものがたくさんあった。手摺の位置、エレベーターのボタンの場所等々…。「○○だから見えるもの」、それを誰が受け止めるか、どこが受け止めるか、ということが、(私たち学校事務職員にとっても)今後の課題ではないかと私は考えている。―
日常、ともすると書類だけで処理をすすめてしまい、「学校事務職員だからこそ見えるもの」を忘れてしまいがちな自分を反省させられる言葉でした。学校予算や施設設備などの仕事をすすめる場合でも、実際に足を運び、物を見、話をし、それぞれの「○○だから見えるもの」を受け止めていくことがとても大切なことだと感じました。 それは、確かに手間のかかることであり、効率化・能率化と対極にあることかもしれません。しかし、ひとつひとつ積み上げていくことが、子どもの生活の場としての学校をつくっていくことであり、私たちの役割を明確にしていくことにもつながるのではないでしょうか。
退職後、新たな目標に向かって歩み始めるEさん。健康に留意されご活躍ください。そして、これからも私たちに大切なことを教えてください。
さて、第57回全道事務研究大会苫小牧大会〔9月13日(木)・14日(金)の2日間開催〕ですが、1月の評議員会で開催要項が決定されました。会場は、苫小牧駒澤大学をお借りすることになり、これまでとはまた違った雰囲気の大会となるのではないでしょうか。詳しくは、「全道研情報」をご覧ください。お忙しい折でしょうが、たくさんの方のご参加を期待しています。よろしくお願いします。