「北海道の学校事務」の継承・発展を

北海道公立小中学校事務職員協議会 会長 中辻  明(なかつじ あきら)

2008(平成20)年は、持田栄一氏没後30年となります。  氏の講演「教育としての学校事務を問いかえす」が行われた第25回全道事務研究大会が、お亡くなりになる3年前の1975年7月。――本来、人間の教育というものは、どういう場でなされるかといえば、これは、生活実践、労働を通し、遊びを通し、人間が自然とかかわり、人間同士がかかわっていく、こういう関係のなかで、われわれのいろいろな能力が作られるわけです。私は、こういう労働のなかにおける人間形成、あるいは生活実践のなかにおいて自主的、共同的にすすめていく能力形成を、一応自己教育と名づけるわけです。――こうした発想が大きな影響をおよぼし、「子どもの生活実践を支えるための学校事務を創り上げよう」となったのが、学校財政財務・教育情報を主とした「領域としての学校事務」なのです。以来、ほぼ30年が経過したことになります。
本協議会の年代別人数の割合は、50代以上が全体の45パーセントで、40代が30パーセント、20代・30代は併せても約25パーセントとなっています。これは、持田氏の講演が行われた頃、あるいは「領域としての学校事務」のとりくみが始まった頃採用された会員が、そろそろ定年退職の時期を迎えていることを示しています。    子どもの生活実践を支えるための学校事務。それは、学校事務職員以外の教職員や保護者・地域住民の方達、関係機関等との協力・協働なくしてなしえないことです。また、学校間の連携がとても大事になってきます。各地ですすめられる「学校間連携」の中で、これまでのとりくみや持田講演について再学習しながら、「北海道の学校事務」を継承・発展させていくことが望まれます。もちろん、発展させるためには、現状をふまえた新たな提起がされていく必要もあります。協議会本部としましても、今後の全道事務研究大会の運営等で、これらのことを十分考慮してすすめていく所存です。そして多くの方々のご協力をいただきながら、2008年を力強い前進の年にしていきたいものと願っています。
さて、第58回全道事務研究大会ですが、2008年9月11日(木)・12日(金)の2日間、稚内市で開催されます。現地・本部、共に参加者のみなさんを迎え入れる準備を整えているところです。ご期待ください。