Bottom QuarterもHappyでありうる教育

北海道公立小中学校事務職員協議会 会長 名達 和俊(なだち かずとし)

 3回目の人間ドックを受診しました、といっても9月のことです。検査結果が気にかかっていたものの小心者の小生、見て見ぬふりを決め込んでいました。
しかし、なかなか疲れが取れない日々を過ごしているうちに激しい胃痛に襲われ胃カメラを飲むことになってしまいました。大事には至らなかったのですが、数日後人間ドック結果表を持参し精密検査を受診することに相成りました。
数年前季節性インフルエンザの予防注射をし、翌日発熱。10万人にひとりという確率に該当してしまう「病は気から」の典型的なお人好しなのでしょうか。

先日フィンランド在住の山田真知子さんの講演「暮らしてこそ見えてくるフィンランドの教育」を聞く機会に恵まれました。この講演の前にフィンランドの教育についての図書を読んだばかりだったので興味津津。給食費・教材費などは無料で提供される「福祉としての教育」。能力別学校制度・習熟度別編成の廃止など教育原理の大転換。政治主体としての地方自治体など私たちが学ぶべき事柄が次々と報告されました。何より感銘を受けたのが教育に福祉政策が採り入れられている現実でした。日本では子どもの貧困が大きな社会問題となっていますが、フィンランドでは授業料は無料であり下宿の場合には住宅補助費が支給される制度があるようです。たしかに国民一人ひとりの税としては高負担なのかもしれませんが、社会全体で教育を支えている姿が印象的でした。
教育への公費保障と福祉政策、そして学力世界一を実現する教育政策は我が国の教育改革とは隔たりを感じざるを得ません。
この秋、十勝大会(全道事務研)のシンポジウム「明日の教育を考える」で藤田先生(立教大学)からの基調報告にあった「Bottom QuarterもHappyでありうる教育」を思い出しました。これからの教育に期待されるものに「すべての子どもがHappyで、夢と誇りを育むことのできる教育を」と。