「実務」について

北海道公立小中学校事務職員協議会 会長 常陸 敏男(ひたち としお)

2013-02-09
「月照の羊蹄山 夜の8時頃でしたが月が大変明るく、15秒程度の露出で昼間のような羊蹄山が浮かび上がりました。リバーサルフィルムでの撮影です。」

皆さんは「実務」と聞いてどんなことを思い浮かべますか?おそらくほとんどの方は「実務」というと、給与・ 手当・旅費、あるいは服務関係など法令・条例などの理解や解釈がとりわけ必要になる仕事をイメージされることと思います。だから、「実務研修」という場 合、その多くは給与や旅費などに関する研修を指すこととなっていると考えられます。
11月に開催した研修担当者研修会の資料として、協議会各支部に対して実施したアンケートの回答の中にも、「実務研修」という言い回しが多く使われてい ましたが、例えば「支部の研究大会では、実務研修もおこなっている」だとか、「実務研修をおこなって欲しいという要望が多い」などの表現を思い浮かべてく ださい。さて、このような言い回しが使われるとき、その話題の中心にあるのはだいたい「実務研修を入れないと参加者が少ない」といったような各支部研修担 当者の悩みのようです。これは、たぶん事実でしょう。「たぶん事実」というのは、「実務研修」がメニューに入っている教育局主催の事務職員研修会には協議 会会員でない方もかなりの割合で出席されているようなので、そのように考えられると思うわけです。ではなぜ「実務研修」には参加者が増えるのか・・・とい うのが今回の話題ではありません。それを考えることも大切ですが、今回の話題はあくまで「実務」という言葉の使われ方を考えることです。
校内配分予算案を職員会議に議題として提案するために調査活動を行い、効果的執行のために様々な調整や中間決算を行い、予算要求活動を経て決算・反省を 行う・・・この年間サイクルを「実務」と呼ぶ人はあまりいないような気がします。なぜなんでしょう。これこそ「実務」と呼んでもいいのでは?
思うに、職務確立運動の草創期、とりわけ「領域」提起のころの先輩たちはきっと、「実務という言葉の響きはどこか定型的なもの、血の通わないものという イメージがある」とか「実務とは自己完結的な仕事のこと」といった議論を喧々諤々やって来たのでしょう。そういった論議を経て、「実務」と「領域実践」は 峻別されるべきカテゴリとして枝分かれしてきたのではないか、そんな風に物語の粗筋を考えてみたとき、自分たちの職務は自分たちで作り上げるのだという先 達の熱い思いに触れつつ、今日「実務」という言葉の使い方をもう少し考えてみるのもいいのではないかと思うわけです。ところで、自己目標シートの「実務」 欄に皆さんはどのような観点で記載をしていますか?

2013年2月12日