去る11月9日

北海道公立小中学校事務職員協議会 会長 常陸 敏男(ひたち としお)

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(写真提供:石狩支部)

 去る11月9日、札幌市で石狩管内公立小中学校事務職員研修会が開催されました。内容は、実務研修、市町村実践研究交流など継続されているものもありましたが、今回のメインは「事務職員加配の現状(調査報告・シンポジウム)」というプログラムです。
ご承知の通り、今年度から、事務職員の加配に「ミッション加配」が加わり、従来の「学校間連携加配」も呼び方としては「新たなミッション」に収斂された ケースも散見されると聞いています。また、2012(平成24)年度からは、「巡回指導教員活用事業」に付随した事務職員加配や、「学校力向上に関する総 合実践事業」推進校における事務職員加配も「新たなミッション」の範疇で捉えられているようです。2012(平成24)年度は全道88校(内、札幌市を除 く石狩管内で21校)という状況であり、特に数の多い石狩管内においては、「来年自分の学校に加配が来るかもしれない・・・」というリアルな問題となって いました。また、何より、加配された事務職員はいったいどのような業務を行っているのか、そのことが既配の事務職員の業務にどのような影響をもたらすの か、など大きく情報が不足している状況となりました。そこで、石狩管内協議会としては、今年の春から全ての配置校に対するアンケート調査を実施して、管内 及び管外の加配校や現場実践家を招いてシンポジウムを開催したのです。
私はこのシンポジウムに、石狩管内の一事務職員として参加をしていましたが、率直な感想を申し上げると、大変充実した内容で、企画立案した管内協議会役 員の皆さんに深く敬意を表するものです。実際、全道事務研で同じ内容、シンポジストで開催してもいいと思うくらいの内容の濃いシンポでした。
中でも、私が感心したのは、「学校力向上」推進校である千歳市桜木小学校既配事務職員のFさんの発言で、「事務職員が加配されることによって、これまで (自分という事務職員が)主体的に担ってきた業務をさらに丁寧にすすめることが出来ると考え、そのことを職員会議で教職員の理解を得ながらとりくんできま した」という発表です。「主体的に担ってきた」というのは、もちろん財政財務活動や教育情報の、いわゆる「領域実践」のことを指します。そして、学校財政 財務活動についていえば、「単に市配当予算配分表を作るだけではなく、保護者負担金や補助金などを含めた、全ての学校予算総体を明らかにしていく中で、本 校の学校財政を計画していくこと」など、「一人配置のときは、大切と思いつつなかなか手がつけられなかったとりくみに、着手する」こと、「そしてそのよう なとりくみがめぐりめぐって『教員の負担軽減』や学校づくりにつながる」と考え、そのことを職員会議の場で、他職種にしっかりと説明し理解を得るとりくみ を、ミッション加配が通知されてから4月までの時間の無い中でやり遂げたこと、そのすべてが素晴らしいと感じました。ある人はこの報告を聞いて、「極めて シンプル。結果を恐れず、過程を疎かにせず淡々と、するべきことしなくていいこと、出来ること出来ないことを自分の考えに素直に一つ一つ整理し、結論を出 してきた結果」と評しておりました。

全体で3時間を超えるハードなシンポだったので、記録化などには至りませんが、本協議会の橋本事務局次長もシンポジストとして参加をさせていただいたので、何らかの形で報告ができたら、とは思います。

2012年11月19日